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動脈硬化指数の低下を目指す高血圧症治療と突然低血圧

高血圧症においては血圧が高い状態が維持されることによって様々な疾患を合併することにつながってしまうことが最も懸念されることです。そのため、高血圧症の治療においてはリスク評価が行われ、そのリスクが高い場合には速やかに薬物治療を開始して血圧を目標域に制御することが目指されます。それと並行して生活習慣の見直しが進められ、特に食生活の改善に着目した指導が進められていくことになります。
最近では高血圧症に伴って発症しやすい動脈硬化についての懸念が高まっています。そのリスクファクターとして知られるのが高血圧の他に高コレステロール値があります。日本においてはLDLの値を考えることが多いものの、世界的には動脈硬化指数と呼ばれるLDLとHDLの比が用いられます。動脈硬化指数が少ないほど動脈硬化のリスクが少ないと考えられており、高血圧の食事療法においても動脈硬化指数を低下させることが同時に追求される傾向があります。
食事療法では減塩と野菜や果物の摂取、不飽和脂肪酸やDHAを含む食品の摂取を推奨することがガイドラインに述べられています。しかし、こういった食事療法を進めながら薬物治療も行っていった際に、突然低血圧に見舞われることがあります。これは食べ物や飲み物と薬物の相互作用により、薬物の代謝酵素が食べ物や飲み物に含まれる物質によって阻害され、薬物の血中濃度が高まってしまったことによる場合がほとんどです。突然低血圧に見舞われる原因となるのはグレープフルーツがよく知られています。服薬指導の際に注意されていても、長い間高血圧症と付き合っていると忘れてしまったり、ミックスジュースに含まれていたりした影響で突然低血圧に見舞われたりすることもあります。果物の摂取が推奨されてはいますが、何を食べたり飲んだりするかという際には注意が必要です。